2020年7月22日水曜日

水の子供 第4章

その夜アマンダとレニーは、雑貨屋の近くの小さなB&Bに泊まった。

B&Bの女主人は、二人の為に、軽食を作ってくれた。
「アマンダ、力をつけて、カイルを探そう」
「ええ、そうね、、」アマンダは、サンドイッチをつまんだ。正直全く食欲などなかった。でも、とにかく力をつけよう。

翌朝には、警官達が数匹の犬を連れてやって来た。

アマンダは、彼らを先頭して、カイルと少年を見失った場所に案内した。

捜索は、騒々しく始まった。

警官達の半分とレニーは湖畔を、後の半分とアマンダは、森の中へと捜索を開始した。

「カイル!」
「カイルー!どこなの!」
アマンダは、自分達が借りたコテージの周りしか森の中をハイキングした事はなく、いつもレニーが一緒だった。

何て深い森なのだろう!アマンダのシャツの袖が、木々の枝に度々引っ掛かった。

数時間しても、何も反応もなかった。

警官達と犬達は、一旦休憩した。

湖畔の方も同じらしく、レニーが憔悴仕切った暗い顔をしていた。

「何で子供から、目を離したんだ?」レニーは、アマンダにイライラをぶつけた。
「ほんの一瞬だわ!」
「ほんの一瞬が命とりになるって、分からないのか?!」
トンプソンが二人の間に急いで割り込んだ。

「誰のせいでもないですよ!二人とも、落ち着いてください!」
と、一人の若い警官がトンプソンに近寄って来た。
「保安官、少しお話が、、」
「失礼」トンプソンは、その若い警官と、アマンダとレニーから離れた。

「実は、父が担当していたケースで思い出した事がありまして、、」
「何なの?」
「あの奥さんに、私から直接訊いてもいいでしょうか?」

「奥さん、途中で見つけた少年ですが、どこの子だったか言っていましたか?」25才もいっていないだろう、警察学校出たてのような若い男性警官が、アマンダに訊いた。
アマンダは首を振った。
「知らないわ。何も話さない子だったから、、」と、その警官は奇妙な目付きをしてアマンダを見つめた。
そして無線で何かコードのようなものを発して連絡した。

警官は、携帯で、写真を送ってもらった。そしてそれを、アマンダに見せた。
アマンダは驚きの余り、息を飲んだ!
「そうです!この子です!出会ったのは!どうして判ったのですか?」
「あぁ、、」と言って、その警官は顔を撫でた。
「その子がどうかしたんですか?」レニーは、警官の腕に手を置いて、彼を振り返えさせた。









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